この記事では、マイクロプラスチックの問題点と、プラスチックごみを減らすためにふだんの暮らしの中でできることをご紹介します。
マイクロプラスチックごみは地球の生物へ悪影響を与えることから、たいへん深刻な問題となっています。
まずは日本のプラスチックごみの現状を知り、それからマイクロプラスチックの原因となる「プラスチックごみ」の減らし方について見ていきたいと思います。
* マイクロプラスチックごみの現状については、こちらの記事を併せてご覧ください。
マイクロプラスチックとは? / 生物と人体への影響と問題について考える(外部リンク)
日本のプラスチックごみの現状
日本の廃プラスチック排出量(2018年)は891 万トンで、プラスチックリサイクル率は84%です。
この数値は一見、高いリサイクル率にみえるのですが、内訳を調べてみるとプラスチックごみを焼却して熱エネルギーに変える「サーマル・リサイクル」が56%を占めていて、プラスチック製品へ再生する「マテリアル・リサイクル」は、わずか23%となっていることが分かります。
実はサーマル・リサイクルは、エナジー・リカバリー(エネルギー回収)などと呼ばれ、欧米ではリサイクルとして認められていません。
またUNEP(国連環境計画)の報告書によると、日本人1人あたりのプラスチック容器包装ごみの廃棄量は、世界第2位となり、私たちが出すプラスチックごみが、諸外国と比べて多いことが分かります。
上記の現状から、私たちは、プラスチックごみを減らすために行動を改善していく必要があるといえます。
「3R(リユース、リデュース、リサイクル)」をあらためて見直し、製品を購入したり使うときは、プラスチックをリユース(再利用)、リデュース(減らす)できないかをまず考えて、ごみを増やさないように努力することが大切です。
さらに「リフューズ(断る)」を加えた「4R」が心掛けられるようになると、より効果的でしょう。
*「リフューズ(断る)」は、包装紙や持ち帰り用の袋を断ること。
プラスチックの使用を減らすためにできること
海洋プラスチックごみが完全に自然分解されるまでに、数百年ものあいだ海の中を漂っていると考えられています。ペットボトルに関しては、450年も時間がかかるそうです。
わたしたち消費者がプラスチック製品を使うときは、プラスチックごみとなったその後のことまでを、きちんと考えなければなりません。
そして地球環境を守るために、プラスチックの使用を減らすことが鍵となります。ここでは、そのために生活の中でできるアイデアをいくつかご紹介します。
⑴ 過剰包装していないものを選ぶ
お買い物のときは、プラスチック製のパッケージやビニール袋に入っていないもの、または簡易包装の商品を優先的に選ぶようにします。例えばフルーツは、袋入りのリンゴではなくてバラ売りを買う、ギフトラッピングはシンプルにするなど工夫します。
⑵ 化粧品や洗顔料等の成分を見る
ボディシャンプーや口紅などのコスメの中には、マイクロビーズと呼ばれる、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックを含む製品があります。
洗顔料や化粧品を購入する前に、成分表に「ポリエチレン」「ポリエチレン末」「コポリマー」「ポリプロピレン」などの記載がないか、確認しましょう。
⑶ 天然素材を選ぶ
アクリル、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維から発生するマイクロプラスチックは、マイクロファイバーと呼ばれています。合成繊維の衣類を洗濯したり、着用するだけで、たくさんのマイクロファイバーが放出されます。
あたらしく洋服などの衣料品、カーペットやシーツなどを購入するときは、コットンや麻、羊毛、絹といった天然繊維を選ぶようにします。
洗濯につかうネットも、環境にやさしい素材を選ぶと良いでしょう。
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⑷ マイバッグ、マイボトルを使う
2020年7月1日から、プラスチック製買物袋の有料化が義務付けられたことをきっかけに、マイバッグを持つことが習慣になったという方もいらっしゃると思います。
マイバッグでなくても、普段からリュックサックなど大きめのバッグを持ったり、使用済みプラスチック袋を小さく畳んで、常にカバンの中に入れておくなど、新しいプラスチック袋をもらわないように工夫しても良いでしょう。
飲み物も、ペットボトルごみを減らすために、マイボトルを持って出かけるよう心がけましょう。
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⑸ こまめに部屋を掃除する
家の中のほこりには、マイクロプラスチックが含まれています。
ほこりが溜まっていると、空気中からたくさんのマイクロプラスチックを体内に取り込むことになるため、定期的に掃除機をかけてきれいな部屋の状態を保つようにすることで、マイクロプラスチック摂取量を減らす可能性が高くなります。
⑹ ごみは分別して捨てる
お住まいの地域、自治体のごみの分別方法にならって、きちんと決められた場所に出します。ポイ捨てや不法投棄はせずに、リサイクルできるものはきちんと分けて、処理しましょう。
まとめ
プラスチックは、医療などの衛生面で大きなメリットが得られる素材でもあるため、すべてのプラスチック製品に対して否定はできません。しかし、私たちの日常の場面では、過剰包装などムダなプラスチックがたくさん使われていることがあります。
たしかに、プラスチックごみを減らすことは、気が遠くなるようなことだと思われるかもしれません。
けれども、私たち一人ひとりが余計なプラスチック製品を購入したり使うことを控えるよう意識することで、たくさんのプラスチックごみを減らすことができます。
今回ご紹介したプラスチックごみを減らす方法を、少しずつ暮らしの中に取り入れていただけたらと思います。
文:ブラウン美帆
出典:HAKOBULIVING(ホームページ)
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