​​2024年に向けて「エシカルの今」を知る(前編)

「エシカル、サステナブル、SDGs」であつかわれるキーワードを一覧できるように整理しました。

日本も今SDGsがブームですが、「エシカル、サステナブル、SDGs」はあつかう範囲が広いため、イメージをつかみにくいところがあります。

そこで、この記事では「エシカルの今」を知るための具体的なキーワードを整理しました。


《食》

オーガニック(有機)…農薬や化学肥料にたよらない有機農法で作られた食材です。日本の認証では「JAS規格」が有名。買い手にとっても生産者にとっても健康によいです。

フェアトレード…生産者に対して公平な取引で売られる商品のこと。「仕入れで買い叩いていません」という意味。コーヒーやチョコレート、衣料品や雑貨のフェアトレードは日本でも昔からあります。

ヴィーガン(ビーガン、ベジタリアン)…野菜だけで料理をすること、野菜を主食とすること。カフェやレストランでヴィーガンのメニューも増えてきました。また、化粧品やボディケアでも「ヴィーガン / Vegan」表記を見かけます。動物実験などをせず、肌にも優しいという意味があります。

大豆ミート…本物の肉に似せて、大豆を加工して作った商品。スーパーでも見かけますし、飲食店でもよく使われます。「ソイミート」「大豆肉」とも言います。

地産地食(地産地消)…自分の住んでいる土地で作られたお米、野菜、肉、卵などを食べること。食べ物は、住む土地から大きく離れないものの方が体によいと昔から言われます。地産地食(ちさんちしょく)、または地産地消(ちさんちしょう)。


《農》

オーガニック(有機農法)…農薬や化学肥料にたよらない農法。強い化学薬品に触れずにすむため、生産者の健康にもよいです。

自然農…機械や人の手できっちり手入れをするよりも、自然の力にまかせて農作物を育てるやり方。雑草や虫をあらかじめ排除しません。個人や小さな規模で畑や菜園を持ち、始めることが多いです。

都市農業…市街地やその近郊でなされる農業。「地産地食ができる」「市民が援農(えんのう)などで農業を体験できる」「緑を増やせる」といった観点から注目されています。

リジェネラティブ農業…再生型農業のこと。作物を育てることで土地を消耗させていくのではなく、むしろ農を通して大地を元気にするやり方。エシカル先進企業のパタゴニアも熱心に取り組んでいます。

パーマカルチャー…人と自然の共生を模索するやり方。長く続く農業と文化、人と人が活かし合う関係を大切にします。

ワードローブシャツ白服

《衣料、ファッション》

オーガニックコットン…有機農法で育てられた綿。体にやさしい服やタオルが作れます。

麻…綿(コットン)や化学繊維の大量生産がなされる中で、その良さが見直されている素材。麻にもいろいろな種類があり、ヨーロッパ由来のリネンのほか、日本には大麻(おおあさ)や苧麻(からむし)があります。どれも通気性がよく、肌にもやさしいです。

アップサイクル…リサイクルする時に価値を高める工夫をすること。たとえば、ゴミ拾いで取られた海洋プラスチックからアクセサリーを作って販売する、捨てられる予定の着物の生地を使って雑貨を作るなどのアップサイクル製品があります。

ヴィーガンレザー…革製品に似せて、植物やその他の材料から作られた商品。国産リンゴのしぼりカスを利用したり、サボテンを原材料にした「アップルレザー」「サボテンレザー」などがあります。

エシカルなジュエリー…紛争や武装勢力の資金源とならず、また人権を無視した労働を課すことなく、得られた原石から作る宝石のことです。


《日用品》

マイボトル…水筒のこと。水筒を持ち歩くことで、ペットボトル(マイクロプラスチックのもと)の消費を減らせる。マイボトルに水を補給できる店舗や施設も増えています。

自転車…日常の移動に自転車を使うことで、主に車による排気ガスを減らせます。地球温暖化をおさえるのにも効果があるし、よい運動になります。なお、自転車に乗る時はヘルメットをかぶろうという啓発が盛んにされています。

マイカップ、マイ箸など…外出時に自分のコップやカトラリー(お箸、スプーン、フォークなど)を持ち歩くか、またはオフィスに置いておくこと。紙コップや割り箸、プラスチック製品の使い捨てを減らせます。

エコバッグ…くり返し使える買い物袋。今は多くのお店でレジ袋が有料化されているため、エコバッグがあると経済的ですし、プラスチックの消費も減らせます。


上の説明はかんたんなものです。もっと色々な意味や考え方もあると思いますし、項目になっていないキーワードもあるでしょう。気になったらぜひ調べてみてください。

後編では、《美容》《建築》《エネルギー》《地球環境全体》をあつかっています。


文:木村洋平