環境にやさしい洗たく方法を紹介します

洗たくは、水の使用量の多さやマイクロプラスチックの流出などにより、環境に影響を与えています。すすぎの回数や洗剤を変えたり、洗たくネットを使うことで、環境にやさしい洗たくができます。

毎日する人も多い洗たく。衣類がきれいになるのは気持ちがよいですが、実は環境に影響を与えているのをごぞんじでしょうか。

今回は、洗たくが環境に与える影響とおすすめの洗たく方法を紹介します。


洗たくは環境にどんな影響を与える?

洗たくが環境にあたえる影響には「水の大量使用」と「マイクロファイバー」があります。

水の使用量

1回の洗たくで使う水の量は、メーカーや衣類の量により異なりますが、約80〜150Lです。1ヶ月毎日洗たく機を回した場合、約2,400〜4,500Lもの水を使用することになります。

また、洗たくで汚れた水は下水道で処理されますが、そのときに多くのエネルギーが使われます。


マイクロプラスチックの発生

洗たく時に発生する「マイクロプラスチック」が海洋汚染の原因の一つになっています。

マイクロプラスチックとは、5mm以下の小さなプラスチックごみです。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維の多くは、プラスチックからできています。(プラスチックは自然分解されるまでに、数百年もの時間がかかるとされています。)

そのため、洗たくをするとき、化学繊維でできた洋服からは細かい繊維が抜け落ち、それらはマイクロプラスチックになって、下水処理施設を通り抜け、海へ流れてしまいます。化学繊維の服を1枚洗うと、1,900本もの繊維が抜け落ちるとの調査結果もあります。

参考:J-STAGE「洗濯機付属糸くずフィルターがマイクロプラスチックファイバーの流出を削減する効果」

洗たくによる環境への影響が減らせるおすすめの洗たく方法があります。


おすすめの洗たく方法は?

水の使用量やマイクロプラスチックの排出量を減らせる洗たく方法を3つ紹介します。

すすぎなし・すすぎ1回モードを選ぶ

洗たく機の標準モードは「洗い→すすぎ(2回)→脱水」という工程です。多くの洗たく機はすすぎの回数を変更できるので、すすぎ0〜1回に変更しませんか。水の使用量を減らせます。

すすぎ回数を減らす場合は、すすぎ0回や1回に対応した洗たく洗剤を使いましょう。すすぎ1回でも使える洗剤には、SARAYAの「ヤシノミ洗たく洗剤」などがあります。がんこ本舗の「海へ…Fukiiはすすぎ0回に対応しています。

筆者は「海へ…Fukii」を使用していますが、汚れは落ちていると感じます。食べ物や土・泥などの汚れがひどい場合は、重曹を使ったつけ置きや石けんで予洗いしています。


洗たくネットを使う

衣類から出るマイクロプラスチックをキャッチしてくれる洗たくネットがあります。特殊な細かい網目で、素材自体もマイクロプラスチックが発生しにくいもので作られています。例えば、パタゴニアの「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」です。洗たくネット内にたまった繊維は、こまめに捨ててください。

実際に使ってみると袋のすみに小さな繊維くずが集まります。実際に目にすると「こんなにたくさんでているんだ!」と驚きます。

洗たくの回数を減らす

思い切って、洗たくする回数を減らすのも良いかもしれません。洗たく回数が減れば、水の使用量やマイクロプラスチックが出る量も減ります。また節電効果もあるので、節約にもなります。洗たくによる衣類の痛みも軽減されるので、お気に入りの洋服を長持ちさせられます。


まとめ

洗たくは、水を大量に使ったりマイクロプラスチックを排出してしまったりと、環境に影響を与えます。しかし洗たくの方法を少し変えるだけで、環境負荷を減らせます。節水や節電効果もあるので節約にもなります。筆者は特に、家事の時短ワザとして、すすぎの回数や洗たく回数を減らす方法がおすすめです。少しでもよいなと思ったら、ぜひ実践してみてください。


文:古賀瞳