「エシカル、サステナブル、SDGs」であつかわれるキーワードを一覧できるように整理しました。
年をまたいでしまいましたが、前編の続きです。
日本も今SDGsがブームですが、「エシカル、サステナブル、SDGs」はあつかう範囲が広いため、イメージをつかみにくいところがあります。
そこで、この記事では「エシカルの今」を知るための具体的なキーワードを整理しました。
《美容》
オーガニックコスメ…防腐剤や合成着色料など、さまざまな化学成分を基本的に使っていないコスメのこと。「ナチュラルコスメ」「自然派コスメ」も同じような意味で使われます。
ヴィーガンコスメ…動物由来の材料を使わず、動物実験をせずに作られた製品のこと。植物由来の成分で作られるため、低刺激で体に優しいといわれます。
エシカルコスメ…「エシカル、サステナブルなコスメ」という総称として使われる言葉です。オーガニックやヴィーガンをふくむほか、フェアトレードの意味合いがあります。生産者の健康を害していない、児童労働がない、といったことです。
《建築》
ユニバーサルデザイン…誰でも利用しやすい建築やまちづくりを指します。似た言葉に「バリアフリー」があります。年齢、性別、国籍、障がいの有無、個人の能力などにより利用不可にならないように配慮すること。自動ドア、多機能トイレ、多言語表示やピクトグラム(絵文字)、点字など。ユニバーサルデザインは建築の分野にかぎらず、「日本語が読めなくてもわかる説明書」「握力が弱くても使いやすい商品設計」などいろいろあります。
ZEH(ゼッチ)住宅…高断熱、省エネを考えた住宅。冷暖房を控えられるため、電気代が安くなり、環境負荷も低くなります。
古民家再生…伝統的な建築方法で作られた家をリフォーム、リノベーションして住むこと。伝統を大切にし、環境負荷をおさえて再生、居住できる点でエシカルです。そこをシェアハウスにしたり、コミュニティスペースにする場合もあります。
《エネルギー》
太陽光発電…太陽光パネルで、太陽エネルギーを電力に変えます。広い土地に巨大な発電施設を作るメガソーラー、農業と一体化したソーラーシェアリング、個人宅の屋根に設置したり災害時に活用する小さなソーラー発電があります。
風力発電…風車を回して発電する。洋上(海の上)と陸上があります。日本は島国で領海も広いため、洋上風力発電は伸びる可能性が大きいと期待されています。
バイオマス発電…廃棄される木材、生ゴミ、家畜の糞尿など、生物由来のものを燃やすか発酵させて、その熱で発電します。
地熱発電…主に地下のマグマの熱を利用して発電します。日本は火山の多い国なので、地熱は安定した電力源として期待されています。
* いずれも化石燃料(石油、石炭)に代わる「再生エネルギー」として注目されています。地球の温暖化と気候変動をおさえるため、再生エネルギーの活用は世界中で推進されています。
《地球環境全体》
気候変動…天気や気温がおかしなほど急に変化したり、豪雨、台風、山火事などの自然災害がよく起こることを「気候変動」といいます。原因は二酸化炭素が増えすぎたためと言われ、二酸化炭素を出す量を減らすことが求められています。「気候危機」「地球温暖化」もほとんど同じ意味で使われます。
脱炭素社会…大きな気候変動を防ぐため、二酸化炭素を出す量を減らす社会を目指すこと。ヨーロッパ、アメリカを中心にこの動きが加速しています。大気中に出される二酸化炭素のもとは「石油」が大きな割合を占めるため、石油を使わなくて済むエネルギーや資源、素材の開発、探求が進んでいます。
ESG投資…環境や社会によい影響を与える事業をする企業、組織に投資すること。エシカル、サステナブルな投資です。社会問題を解決しようとする企業や組織には、長期的な成長性やビジョンがあると考えられており、世界的な投資のトレンドになっています。
リモートワーク、DX…「脱炭素」をふくめ、エネルギーの消費をおさえた働き方が求められています。オフィスに出社しないリモートワークや仕事を効率化するDX(デジタルトランスフォーメーション)は、環境を守るためにも世界的に必要とされています。
前編では《食》《農》《衣料、ファッション》《日用品》についてまとめています。
文:木村洋平