グルテンフリーとは、小麦タンパクの一種であるグルテンをとらない食生活を指します。グルテンをとらない生活が、体質改善や心身のパフォーマンス向上につながりやすいなどの理由から、注目が高まっています。
グルテンフリーとは、小麦などのタンパク質の一種であるグルテンを含まない食品や、グルテンを摂らない食生活のことです。
グルテンフリーは、健康志向の人たちからも注目が高く、新しい食の楽しみ方として広まっています。
グルテンフリーとは
グルテンフリーとは、小麦タンパクの一種であるグルテンをとらない食生活のことです。
「グルテン」とは、小麦や大麦、ライ麦に含まれるタンパク質の一種をさします。グルテンを含む代表的な食品にはパン、ピザ、パスタ、クッキー、ラーメン、うどんなど身近なものが挙げられます。
食事療法として生まれたグルテンフリー
もともと、グルテンフリーはセリアック病患者の方たちの食事療法として生まれました。セリアック病とは、グルテンをとることで免疫が過剰反応し、腸の細胞が破壊されて腹痛や倦怠感などの症状が出てしまう病気です。
このほかにも、グルテン過敏症や不耐症といった、グルテンが身体に合わない人たちがいます。そのような人たちのために、グルテンフリーが勧められてきました。
しかし最近では、グルテンフリーはそうした体の特性を持っている方だけに限らず、健康志向の人たちからも注目されています。グルテンフリーをはじめることで腸内環境を改善できると期待されているからです。
こうしてグルテンフリーは、『食のスタイルのひとつ』として位置付けられるようになりました。
世界で加速しているグルテンフリー市場
農林水産省によると、アメリカや欧州を中心にグルテンフリー市場は拡大していると報告されています。下記のグラフは、世界のグルテンフリー市場規模を表した図です(2020年以降は予測値)。
特に、2019年からの伸び率が高く、世界のグルテンフリー市場は2024年には約100億USドルに達すると予測されています。グルテンフリーという食生活の広がりは、世界的に加速しているのです。
日本においても、グルテンフリーの認知度は高まっています。
マイボイスコムが実施した調査では『多様化する食のスタイルで知っているもの』の問いに対し、グルテンフリーの認知率は「ベジタリアン」「ヴィーガン」に続いて第3位となりました。
グルテンによって引き起こされる主な不調
グルテンによって起きる不調を見てみましょう。
小麦アレルギーを持つ方や、小麦があまり身体に合わない人たちにとって、グルテンはさまざまな不調を引き起こす要因となります。
個人差はあるものの、代表的な症状として偏頭痛、めまい、下痢や便秘、発疹などの身体的なものから、集中力の低下、眠気といった神経系の不調まであります。
これは、グルテンは胃で分解されにくい物質であることから、十分に消化されないまま腸に送られた際に、粘膜に張り付いて炎症を起こすためです。そうなると腸内環境のバランスが崩れ、身体に負担がかかります。
必ずしもグルテンがすべての人にとって悪者というわけではありません。しかしグルテンフリーの実践や、日々のグルテン摂取量を減らしてみることで、今まで気がつかなかった体の反応を知るよい機会になるでしょう。
グルテンフリーのよいところ
では、グルテンフリーを取り入れるとどのようなよい変化を体験できるのでしょうか。
体質改善が期待できる
グルテンフリーは、先述のような不調を改善する効果が期待できます。
特に遅延型フードアレルギーを持つ人は、即時型アレルギーに比べて気がつきにくい傾向があります。
*遅延型フードアレルギーとは、食後数時間〜数日たってから頭痛、疲れ、便秘や下痢の症状が現れる食物アレルギーの一種です。
もし今、一日中体がだるい、疲れがとれない、お腹の調子がよくないといった何らかの不調を感じている場合、グルテンが影響しているかもしれません。グルテンフリーで、体の様子を観察してみるといいですね。
パフォーマンス向上につながる
グルテンフリーを取り入れると、パフォーマンスの向上も期待できます。
アスリート界では、有名テニスプレイヤーがグルテンフリーを実施後、慢性的な腹痛や気分の低下から解放され、成果につながったと話題になりました。
普段の生活においても、眠気や偏頭痛などの不調が改善されることで仕事や趣味に集中して取り組めるようになります。グルテンフリーは、毎日を快適に過ごす一つの手段といえます。
肌の状態が安定するケースも
腸内環境は肌と密接にかかわっています。そのため、グルテンフリーの食生活により腸内環境が整い、肌の状態が安定するケースもあります。
グルテンには、腸を傷つけてしまうアミノ酸が含まれます。傷つけられた腸は善玉菌のバランスを崩し、老廃物を排出する機能が弱まります。その結果、吹き出物やくすみ、炎症といった肌トラブルを招きやすくなります。
グルテンフリーで腸内環境が整えば、肌質改善が期待できます。
グルテンフリー食品の見分け方
グルテンフリー食品を選ぶときは、
・認証ラベル
・原材料表示
を確認してみるといいでしょう。
認証ラベルから選ぶ
まず、グルテンフリー認証ラベルで見分ける方法です。
認証ラベルの認証機関は世界各国にあり、グルテン含有量の基準値は国によって違いがあります。中でも、もっとも厳しい基準が「グルテンフリー認証機構GFCO」による認証ラベルです。
この認証ラベルが表示された商品は世界各国で扱われ、日本では加工食品や調味料が対象となっています。
グルテンフリー認証機構GFCO以外にも、海外の場合は国ごとに表示方法、グルテン濃度の基準を法律で定めています。輸入品でグルテンフリー食品を探す際は「Gluten free」「No gleten」「Without gluten」の表示で判断してみましょう。
日本では今のところグルテンフリーの明確な基準はありませんが、日本米粉協会が公表している「ノングルテン」という登録制度があります。この制度では、第三者による認証が行われ、国内でもっとも厳しい基準といわれています。
こうした認証ラベルを確認することで、ひと目でグルテンフリーであることがわかります。グルテンフリーの食品を探す目安にしてみましょう。
原材料表示を確認する
認証ラベル以外にも、商品に記載される原材料表示を確認する方法もあります。
日本では食品表示基準として、容器包装された加工食品には小麦を含むアレルゲン7品目を表示する義務があります。ぜひ、参考にしてみてください。
グルテンフリーを通じて食を楽しむ
グルテンフリーは体質改善が期待できるだけでなく、体の声を聞くひとつのきっかけとなるでしょう。筆者もグルテンフリーを実践するひとり。はじめる前まで悩まされていた偏頭痛や強い眠気が改善され、快適に過ごせています。
グルテンフリーは食のスタイルのひとつですが、必ずしもグルテンをとるとらないの二択に絞らないといけない、というわけではありません。これまでパンやピザを主食にしていた場合はお米中心の食生活に変えてみるなど、グルテンの摂取量を減らしてみるのもよいでしょう。
多様化する食生活の中で、いろんな食のスタイルを試してライフスタイルを楽しんでみたいですね。
文:MAYU
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