「サステナビリティ(持続可能性)」は現状維持のための守りに入ることであるより、むしろスクラップ・アンド・ビルド(破壊と創造)を通して、未知の世界を切り拓く冒険です。
2019年頃から、日本でも「SDGs」がずいぶん浸透しました。
サステナビリティ(持続可能性)については、はじめこそ「環境によいことをプラスαでしよう」というニュアンスが強かったものの、今では企業や組織が「事業・活動の本体をサステナブル(持続可能)にすること」がサステナビリティだというよりよい理解へ近づいていると感じます。
「守り」のサステナビリティ
一方で、地球・社会・事業のサステナビリティと言う時、まだ「守り」のニュアンスがかなり強いのではないでしょうか。
つまり、一回よい状態を作って、それを「現状維持」することがサステナビリティだというような理解です。
たしかに、地球環境や人権、社会の適切なあり方を「守る」ことは大切です。今ある自然を保護することも大切です。
けれども、事業や活動においても保守的な態度をとるだけが、はたしてサステナビリティでしょうか?
「攻め」のサステナビリティ
今、これだけ流動化が激しく、崩壊していくものも多い日本社会、国際社会のなかで、大きな変化に柔軟に対応していくことの方が「サステナブル(持続可能)」だと言えます。それは、むしろ「攻め」の姿勢です。
実際、「サステナビリティは冒険だ」と、起業家や先進的な企業を見ていると感じます。
既存の体制やシステムに「おかしい」と言い、おかしいと思ったら、新しいかたちを構想して実現しようとします。その時、スクラップ・アンド・ビルド(破壊と創造)を通して、未知の世界を切り拓いていきます。
これこそが今、求められているサステナビリティであり、エシカルです。
未知への挑戦と冒険
SDGsも一歩まちがえれば、旧態然とした「綺麗事」ばかりになります。しかし、事業本体やライフスタイルを組み変える覚悟のある企業やひとは、行動的で、活発で、変化を恐れない勢いをもっています。
エシカルは未知への挑戦であり、サステナビリティは冒険だと強く感じます。それを実感する2022年、そして新年度になることを予感しています。
文:木村洋平
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