自然豊かな地域に生まれ育ち、今はLUSHにお勤めの柿川さん。「かわいい」から始まる身近なエシカルを考えます。
生まれ育った土地に豊かな自然があり、子供時代から、多世代での交流に感性を育まれた柿川桜さん。大学では地域の植生を研究し、新卒でLUSHに就職しました。「エシカルはかわいい」と語ってくれます。
「エシカルはかわいい」
──インタビュアー(木村):柿川さんにとって「エシカル」ってどういうことですか?
柿川さん:この地球で生き続けるための根底にあるものでしょうか。倫理的に(エシカルに)生活していくと豊かになれると思います。
私の日常にあるエシカルは、「かわいい」という感覚から始まっていくんです。
「かわいい」は ”Cute” の意味だけじゃなくて、”Good” もあります。カジュアルに「いいな」という感じです。
ぱっと目を引かれることもあれば、商品の背景にあるストーリーを聞いていくと心を掴まれることもありますね。
雲仙普賢岳のふもとに育つ
──ご出身は、自然豊かな土地なのですね。
長崎の雲仙で育ちました。小中学生の頃はボーイスカウトをしていて、一日中ゴミ拾いをしたり、ジオパークのお手伝いをしたり。
ゴミ拾いといっても、ハイキングのようでした。多世代が集まり、地域のおじいちゃんやおばちゃんから「昔の海はこうだったんだよ」と聞きますし、知り合いの水田に遊びに行ってくる、というのも当たり前のことでした。
東京だと、わざわざ「自然のあるポイントに遊びに行く」という感覚がありますよね。
植生の研究とLUSHへの就職
──大学では環境について研究されたのですね。
理科が大好きだったので、生物を研究したかったんです。南多摩の特定の地域にしか生育していない「タマノカンアオイ」の生態を調べました。
見た目は地味な植物ですが、「レアでかっこいい」という動機で研究を始めたところがあります(笑)。次第にかわいくなっていきました。「この子を守りたい」というような気持ちです。
毎回、雑木林のなかで探すと「ここにもおったんかー!」という発見があります。生育に必要な条件を探り、水分量や光量を測定しました。
はっきりと確定できる結論こそ出ませんでしたが、「タマノカンアオイの生育環境を守ることが、私たちが生き続けられる環境作りに繋がる」と考えました。
──新卒でLUSH(株式会社ラッシュジャパン)さんにご就職されたのですか。
はい。でも、大学4年の時には迷いました。家業を継ぐのか、大学院に進学するか。色々考えましたが、働こうと思い、商品と会社理念が好きだったLUSHを選びました。入社できて、ご縁があったと思います。
今、エシカルについて思うこと
──今、周りのひとたちや世界を見ながら、「エシカル」について思うことはありますか。
「きっかけは、かわいいでいい」と思います。身近なひとにはそう伝え続けています。
エシカルやサステナブルを「むずかしい話」だと思われてしまうともったいないですよね。シンプルに「このマイボトル、このエコバッグかわいいね」という話が出たり、家族や友達と、環境保護や保全のお話もします。
かわいい商品や「コト」がエシカルのきっかけになっていくとよいのではないか、と思います。
取材/写真/文:木村洋平
協力:株式会社ラッシュジャパン
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