スタバはひとや環境にやさしいの?(となりのエシカル)

私たちの身近にあるエシカルを見つける「となりのエシカル」。今回はスターバックス・コーヒーの取り組みに注目します。

本日のコーヒーと、2020年秋の商品チーズタルト

カフェには、おしゃべり、仕事、気晴らしをするのに行かれる方も多いと思います(いまはコロナの影響で控えるでしょうか)。ドトールやスターバックスは店舗数も多いですね。

さて、スターバックスというとどのようなイメージがあるでしょう?「若いお客さんが多い」「季節ごとのフラペチーノ」「おしゃれ」etc…一番に「ひとや環境への配慮」と思う方は少ないかもしれません。


ところが、実はスターバックスは「エシカル先進企業」です。もう10年以上前から、コーヒー豆を買いつけるのに独自の「エシカルな調達」を心がけて来ました。そして、2015年にはスタバで使用する99%のコーヒー豆が、エシカルな認証を受けるようになっています。

これは早い取り組みの例といえます。というのも、2015年というと国連で「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択された年ですから。

他方、エシカルの導入がゆっくりである日本では、2019年後半くらいからようやく「SDGsに注目しよう!」という声が上がってくる様子でした。スターバックスがいかに早くからエシカル、サステナビリティに着目してきたかがわかります。

「スターバックスはフェアトレードが好きなの?」

と思われるかもしれませんが、フェアトレードにかぎらず、ほかにもさまざまな「エシカルな取り組み」を実現しています。

たとえば、多様な働き方を採り入れる、障害のあるひとを雇用し、働きやすさに配慮する、地域とのつながりを大切にする、災害支援、若い従業員の教育、日本の文化・伝統を大切にするなど。すべてスターバックス・コーヒー・ジャパンのホームページ(ソーシャル・インパクトのページ)に紹介されています。

筆者もスターバックスの店舗が主催するイベントに参加したことがあります。地域のひとたちが笑顔でコーヒーを試飲し、小さなマシンに触れていました(地域のつながり)。なお、下の写真はスターバックスのトレイに書いてある文章ですが、「和歌山県の職人さんの手によって、国産材で作られたトレイである」という趣旨です。日本の文化や伝統、林業に配慮していることがわかります。

スターバックスのトレイ(一例)

では、なぜスターバックスはこんなに「いいこと」(エシカル)に熱心なのでしょうか?

一番の理由は、事業の継続性だと思われます。たとえば、気候変動によってコーヒー豆が取れなくなる(コーヒーの木が育つ産地が変わってしまう)といったリスクに対して、生産者と密につながることで対応しているのです。

当たり前ですが、コーヒー豆が安定的に調達できなければ、スターバックスは事業を続けられません。だから、フェアトレードを推進し、生産者から流通の過程まで、本社できちんと管理できるようにしているのです。その結果、機関投資家(巨額の資金を運用する会社)からも信頼が得られます。

こうした考え方が「サステナビリティ(持続可能性)」と呼ばれるものです。自分たちの事業をサステナブル(持続可能)にするためにも、地球環境をサステナブルにするためにも、エシカルな取り組みが必要とされます。だからこそ、エシカル、サステナビリティは大切だという認識がいま世界中の企業に広まっています。

もちろん、消費者側もその大切さに気づき出しています。買う側から仕組みを支えるのが「エシカル消費」ですし、SDGsやサステナビリティの現状について勉強するひとも増えているようです。


筆者が見聞するかぎり、日本でも若い人を中心に、同じ「買う」なら「いいこと」をしている企業の製品を買いたい、就職も「いいこと」をしている企業にしたいといった声が高まっています。それで「エシカル就活」という言葉も広まっているほどです。

これから「エシカルな価値観」はさらに広まっていくでしょう。すると、小売店やメーカーをはじめ多くの企業が対応していくと思われます。また、条例を制定したり、広報を出したりする自治体の取り組みにも注目です。東京都はすでに「エシカル消費」を促しています。


以上、スターバックスを例に上げた「となりのエシカル」でした。次回もお楽しみに!

スターバックス店舗外観


こちらの記事もおすすめ

* サステナビリティについて学べる参考記事:「サステナビリティの基礎を紹介する──「バランス」をとること」(エシカルSTORY)

* 「エシカル消費」についての参考記事:『はじめてのエシカル』 (末吉里花著)を読む(エシカルSTORY)

* そもそも「エシカル」ってどういうこと?についての参考記事:「エシカル」ってなに?──イチから知る、考える

文・写真:木村洋平