Duolingoは無料で楽しく学べる語学学習アプリとして、教育の平等を実現します

Duolingo(デュオリンゴ)は無料で楽しく、シンプルに学べる語学学習アプリです。今、日本でも世界でも大人気です。Duolingoの創業者は、質の高い教育を無料で受けられることが貧困から抜け出し、教育の公平をもたらすために重要だと考えています。

Duolingoのアプリを使っている人

Duolingo(デュオリンゴ)は外国語を学習できるアプリとして、今、世界で最も人気があります(最もダウンロードされています)。日本でも利用者が増えています。Duolingoの特徴は無料で楽しく学べること、使い方がシンプルでわかりやすく、なじみやすいことです。しかも、教育の質を高く保っています

Duolingoのミッション(理念)は「誰もが利用できる、世界最高の教育を開発する」こと。創業者のルイス・フォン・アーン(Luis von Ahn)は中米グアテマラの出身で、小さい頃から貧困や教育の格差を目の当たりにしてきました。そこで教育サービスの開発によって、この不公平を正したいと考えたのです。まさに、エシカル(倫理的)な考え方で、サステナビリティ(持続可能性)に関わる事業です。


「質の高い教育をみんなに」

Duolingoでは、英語、フランス語、日本語、韓国語、中国語、スペイン語、ドイツ語、ハワイ語など42の言語を学べます。Duolingoは単なる学習ツールにとどまらず、世界中の人に質の高い教育を無料で提供するプラットフォームを目指しています。とくに経済的な条件にしばられずに、平等な教育の機会を作り上げることに力を入れています。この理念は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」とぴったり重なります。


創業者の思い

Duolingoの共同創設者であるルイス・フォン・アーンは、グアテマラ出身の起業家です。彼は子ども時代に、よい教育を受けられるかどうかが、それぞれの家庭の経済状況によって大きく変わってしまう現実を見ました。グアテマラは中米の小さな国です。そこではお金持ちの家の子供たちはレベルの高い学校で高い教育を受けられます。その後、たとえばアメリカへ渡り、よい就職ができます。

一方で、貧しい家の子供たちは基本的な読み書きすら満足に学べない状況でした。グアテマラや中米では、とくに英語を学ぶことが仕事を得て貧困から抜け出すために重要なスキルです。しかし、多くの人が英語を学ぶ機会を得られませんでした。この経験から、ルイス・フォン・アーンは「誰もが無料で外国語を学べる方法はないか?」と考え、Duolingoを創業することになります。

デュオくん
デュオくん


無料で学べるわけ

Duolingoは42言語を対象とする100種類以上のコースを提供しており、そのすべててが無料で利用可能です(2024年8月24日 現在)。どの学習もゲーム感覚で楽しく学べるように設計されています。科学的な研究をもとに、1回の学習が5分ほどで終わるように「ひとくちサイズのレッスン」を提供しているため、効率的に学び、また気軽に続けられます。

この「無料」を可能にしているのは、Duoloingoが「富の再分配」型のビジネスモデルを持つからです。全ユーザーの93%が無料版を利用していますが、残りの7%に当たるユーザーはよりよい機能を利用するために月額オプションに課金しています。有料プランを選ぶのは、おおむね裕福な人たちであり、ほかの多くのユーザーは無料でDuolingoを使うことができます。


AIを活用した英語テストを受けられる

さらに、DuolingoはAI技術を活用して、英語能力の認定テストも開発・提供しています。それはDuolingo English Test(DET)で、オンラインで受験ができます。このテストの成績は、アメリカの大学を含む世界中の5,000以上の教育機関で受け入れられています。

そのため、途上国や地方に住む人も、有名な英語能力認定テストを受けるために都市部や外国に行かなくても済みます。Duolingoの提供する英語テストによって、自分の英語能力を証明できるわけです。


エシカル、サステナブルな社会へ

このように、Duolingoは教育の平等性と教育の受けやすさ(アクセシビリティ)を追求するプラットフォームとして今も進化しています。

教育の格差が、富の格差や生活の質の格差にすぐにつながり、しかもそれが親から子へ連鎖する社会では、たくさんの分断や無理解が生まれます。それは貧困だけでなく、社会の不安や(言葉をふくむ)暴力さえ生み出すでしょう。世界でも日本でも大きな格差がある今の世界で、教育の平等や無料で教育を受ける機会は、エシカル(倫理的)でサステナブル(持続可能)な社会をつくる足がかりになるはずです。


Duolingo(デュオリンゴ)
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取材・文:木村洋平
協力:Duolingo