肌と海を守るためにエシカルな日焼け止めをえらぼう

今回は海にも肌にもやさしい日焼け止めを紹介します。サンゴ礁への悪影響を減らし、肌への負担も軽くするヒントです。

海の中サンゴ礁があり色のついた魚が泳ぐ

暑くなると使用する回数が増える「日焼け止め」。しかし日焼け止めの一部の成分が、海の生物に影響を及ぼしていることをご存知でしょうか?

日焼け止めは、紫外線によるダメージを防ぐためのものです。紫外線の影響は蓄積されていき、将来のシミやシワの原因となるからです。

また、気象庁の観測によると、日本国内の紫外線量は年々増加しています。そのため、女性だけでなく赤ちゃんのうちから日焼け止めを使用するのが当たり前になりつつあります。日焼け止めは、老若男女問わず必要なものなのです。

こうして利用量が増えている日焼け止めですが、実は環境や肌の負担となる成分が含まれている場合があります。

今回は日焼け止めが環境に及ぼす影響やおすすめの日焼け止めを紹介します。


日焼け止めが環境に影響を与えている?

日焼け止めには大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2つの成分が入っています。

「紫外線吸収剤」は、紫外線を吸収して化学反応を起こして熱に変換する物質です。白くなったり粉っぽくなったりすることが少ないので、多くの日焼け止めに使われています。

「紫外線散乱剤」は肌に塗ることで、物理的に紫外線を肌の表面で反射させて紫外線の影響を防ぐ物質です。

日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」のどちらか、もしくは両方の物質が配合されています。

2つの主成分のうち「紫外線吸収剤」が環境に悪影響を与えていると言われています。

「紫外線吸収剤」として使われている主な成分は、オキシベンゾンやベンゾフェノン、ケイヒ酸など。これらの成分がサンゴ礁の白化の原因になっていることを、2008年にイタリアのRoberto Danovaro教授が発表しました。また、オキシベンゾンやベンゾフェノンがサンゴのDNAに損傷を与えることも別の研究で分かっています。

特にオキシベンゾンはSPF値の高い日焼け止めに配合されていることが多く、日本で人気の日焼け止めにも使用されています。


ハワイなどの観光地で一部の日焼け止めが使用禁止

紫外線吸収剤の環境への影響を受けて、一部の国や地域では紫外線吸収剤が使われた日焼け止めが制限されています。

ハワイでは、2021年1月より紫外線吸収剤配合の日焼け止めの流通・販売・提供が禁止です。

パラオでは紫外線吸収剤を含む10種類の化学物質を含む日焼け止めの輸入・販売・使用が禁止されています。観光客が持ち込んだ場合は没収です。もし販売などを行うと、1000ドル以下の罰金が科せられる場合も。

メキシコのカンクンやコスメルなどの自然保護区では、環境に影響を及ぼす日焼け止めの使用を控えるよう呼びかけが行われています。

紫外線吸収剤を使った日焼け止めを禁止する動きは、世界各地で広がっています。現在、日本では紫外線吸収剤の使用は禁止されていません。しかしサンゴ礁など海の生物を守るためには、法律がなくても個人が使用を控えることが重要です。

参考:コパトーン「お気に入りの「日焼け止め」が使えない⁉知っておきたい「“紫外線吸収剤入り”の日焼け止め」が使えない場所」


選ぶなら「紫外線散乱剤」が使われた日焼け止め

日焼け止めを選ぶ際は、紫外線吸収剤を使用していない商品を選びましょう。

  • ノンケミカル(紫外線吸収剤が化学物質なので)
  • 紫外線吸収剤フリー

このように記載されていることが多いです。

紫外線吸収剤は肌の上で化学反応を起こすので、何回も繰り返していると肌への負担も大きくなります。一方、紫外線散乱剤は紫外線を物理的に跳ね返すだけなので、肌への負担が少ないといわれています。


おすすめのエシカル日焼け止め

「どの日焼け止めが良いのか分からない」という方に、おすすめの日焼け止めを3つご紹介します。

どの日焼け止めも紫外線吸収剤は使われていません。ドラッグストアやインターネットで購入できます。

サンゴに優しい日焼け止め

名前のとおり、サンゴに有害な成分を含まない自然由来成分100%の日焼け止めです。SPF50+ PA++++、第三者機関で日焼け止め効果の検査も実施済みです。

代表の金城由希乃さんが地元、座間味島のビーチで「サンゴが死んじゃうよ」とダイバーに言われたことをきっかけに開発。クラウドファウンディングを通して商品化されました。

保湿美容成分が60%以上も含まれているため、日焼けによる乾燥からも守ってくれます。

せっけんとぬるま湯でかんたんに落とせるのも、嬉しいポイントです。

アルミ缶に入っておりプラスチックフリー、動物実験は行っておりません。

公式サイト:サンゴに優しい日焼け止め

コパトーン「プロテクションUVプラス ミルク」

肌と海にやさしいノンケミカル処方の「プロテクションUVプラス ミルク」は、SPF50+ PA++++で日焼け止め効果も抜群の日焼け止めです。

紫外線吸収剤を含まない日焼け止めは、白浮きやキシキシ感が気になる商品が多いもの。しかし、こちらの商品はサラサラとした肌触りで使い心地も良いと評判です。

保湿成分が配合されているので、つけた後の乾燥も心配ありません。こちらの商品もせっけんや洗顔料で落とせます。

公式サイト:コパトーン「プロテクションUVプラス ミルク」

WELEDA「エーデルワイス UVプロテクト」

WELEDAの「エーデルワイス UVプロテクト」は、100%天然由来成分でできたオーガニックUVミルクです。生後1ヶ月の赤ちゃんにも使うことができ、家族全員で一緒に使用できます。

ブルーライトは96.9%、近赤外線は88.1%もカットする優れもの。SPF38 PA++です。一年中使うことができます。

また動物由来原料を使用していないため、ヴィーガンにも対応。ナチュラル・オーガニック化粧品の国際的な第三者認証マーク「NATRUE(ネイトゥルー)」の認証も受けています。

公式サイト:WELEDA「エーデルワイス UVプロテクト」


今年の夏は「肌も海も守る日焼け止め」に変えてみませんか?

これからの季節、紫外線による肌のダメージを防ぐためには日焼け止めは必要不可欠です。しかし、紫外線吸収剤はサンゴたちにダメージを与えるだけでなく、肌への負担が大きいです。肌も環境も守るために、紫外線吸収剤が使われていない日焼け止めをおすすめします。

私自身、ここ数年はなるべく環境に優しい日焼け止めを選ぶようにしています。自分にも環境にもやさしいものは、使っていて気持ち良いですよ。

次に日焼け止めを買う際は、ぜひ成分にも注目して選んでみてください!


文:古賀瞳


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