夏を涼しく過ごす昔ながらのエシカルな3つの工夫

昔ながらのエシカルな涼み方として、今回は打ち水やすだれ・よしず、風鈴を使った方法をご紹介します。五感から涼しさを味わうことができます。

風に揺られる風鈴

毎年訪れる夏の猛暑。暑さ対策には、エアコンなど冷房の適切な使用が必須です。一方、電気に頼らない昔ながらの涼の取り方も、意外と効果があるんです。今の暮らしにエシカルな涼み方をプラスしてみませんか?


打ち水

打ち水

打ち水とは、涼を得たり土ぼこりを抑えたりするために玄関先や道路に水を撒くこと。気化熱によって地面の熱を奪い、温度を下げる効果があります。

江戸時代に庶民の間に広まったとされ、お米のとぎ汁を使う場合もあったそうです。

その習慣は一時すたれましたが、現在では民間・行政を問わず打ち水を推進しており、イベントとしても行われています。

お風呂の残り湯や雨水、エアコンの室外機に溜まった水など、二次利用水の使用を推奨している点で、エシカルと言えます。


「打ち水日和」東京都環境局


「打ち水大作戦2020」打ち水大作戦本部

打ち水は家庭でも簡単に行うことができます。夏の休日に試してみてはいかがでしょうか。


■用意するもの

・水、バケツ、柄杓など

 ※なるべくお風呂の残り湯などを再利用すると水資源保護につながります。

■打ち水する場所

・玄関先の道路や地面

 アパートやマンションにお住まいの方はベランダなど

 ※なるべく日陰にあたる場所の方が効果あり

■時間帯

・朝や夕方

 ※昼間の日差しが強い時間帯に行うとすぐ水が乾いてしまうので、朝か夕方がおすすめ。


すだれ・よしず

すだれは、細く割いた竹や葦(よし)を並べて紐で通し編み上げたもので、窓の外に吊り下げて使います。

夏の強い日差しを適度に遮りながら、風も通してくれる便利なアイテムです。

古くから日本で親しまれている伝統的な暮らしの道具で、万葉集にも歌われているいるすだれ。

現代では、ホームセンターなどで夏の和風インテリアの一つとして、幅広い種類が販売され手軽に暮らしに取り入れることができます。

「よしず」もすだれの種類の一つです。葦(よし)を材料として、屋外に立てかけて使います。

すだれやよしずのエシカルなポイントは、まず植物でできた素材であること、そして遮光・遮熱効果があり、冷房の過度な使用を避けられることにあります。

地球環境に配慮しながら、暑さ対策を手軽にできるアイテムです。


風鈴

風鈴

風鈴は、耳と目から涼を感じられ、夏の風情を取り入れられます。

直接暑さ対策に効果があるわけではありませんが、風鈴の音色や、短冊が風に揺れる様子を見ることで、清涼感やリラックス効果を得ることができます。

お住いの環境によっては、窓に吊り下げることが難しい場合もあるかもしれません。そこで、現代の住環境にもマッチする「置き型風鈴」をご紹介します。


シンプルモダンな風鈴 ベルメゾン


会津桐 卓上クリスタル風鈴 しなのや陶器

卓上風鈴とも呼ばれ、吊るさずにテーブルの上などに置いて使うことができます。

普通の風鈴を吊り下げる場所がないという方にもおすすめ。

素材だけでなく、デザインも多彩なので、お気に入りのものを探すのも楽しいでしょう。


夏の趣を味わいながら暑さを乗り切ろう

夏を乗り切る方法は、電気を使う冷房だけではありません。打ち水、すだれ・よしず、風鈴などエネルギーを使わないちょっとした工夫で、涼しさに加え、夏の趣を感じることができます。


文:有馬 里美


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