今回は全身をエシカルファッションにしたらどんな感じになるか、想像して遊んでみました。テーマは、夏のアウトドアです。
エシカルファッションは一点を取り入れるだけでも心弾むものです。他方、すべての服をエシカルな観点で揃えるのは大変ですよね。
とはいえ、「こんなエシカルファッションもできるかも!」と想像するのは自由です。
そこで、全身をエシカルファッションにしたらどんな感じになるのか、想像して遊んでみました。
この記事では空想のコーディネートを楽しみながら、「エシカルファッションってなに?」を考えるヒントになればうれしいです。
今、エシカルファッションが注目されています
そもそもエシカルファッションとは何なのでしょうか? かんたんに言うと「素材や製作、販売までのすべての過程で、人と地球に優しい」ファッションのこと。
* エシカルファッションについては、こちらの記事もご参考に。
さて、世界の「エシカル」や「サステナブル」のトレンドはここ10年ほどのものと言えますが、実はアウトドア業界では、昔からエシカルな配慮がされてきました。というのも、アウトドアは自然があってこそ楽しめるアクティビティなので、環境に配慮したブランドがたくさんあるのです。
では、今回はエシカルなアウトドア商品で全身をコーディネートしてみます!
エシカルファッションで全身をコーディネート
エシカルなアウトドアのコーディネート。暑い日が増えてきたので、夏の装いを想像してみました。
アウター:Patagonia(パタゴニア)
アメリカのカリフォルニア生まれのアウトドアブランド、Patagonia(パタゴニア)。エシカルなアウトドアファッションと聞いてパタゴニアを最初に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
パタゴニアはエシカルに取り組むアウトドアブランドの中でも、特に昔から環境への配慮を心がけてきたブランドです。
- 1996年より100%オーガニックコットンのみを使用
- 現在、生産ラインの72%がリサイクル素材
- 製品の寿命を伸ばすための修理サービス
- 1% for the Planetへの参加
着てみたいのは「ウィメンズ・オールシーズンズ・ヘンプ・キャンバス・ボマー・フーディ・ジャケット」。
長時間の保温性と優れた耐久性を持つボマー・ジャケットは、リサイクル・ポリエステルとインサレーションでできています。またフェアトレード・サーティファイドの裁縫を採用しているのも特徴です。
シャツ:HOUDINI(フーディニ)
スウェーデンのアウトドアブランドHOUDINI(フーディニ)は、1993年に生まれました。未来への影響を常に考え、サステナブルな製品の制作を追求してきました。
2016年には廃棄するウェアを干草や食べ物のカス、土などと一緒にコンポストに入れ、作った堆肥で野菜を収穫し、レストランで提供する面白いイベントを開催したこともあります。
- 生物分解性を備える商品多数
- 自然環境に負荷を与えない生産過程
- 世界で最も厳しいサステナブルの基準「ブルーサイン」認定を受けた生産施設
- ミニマリズムを大切にする独自の哲学に基づいたデザイン
- 高度な機能性と耐久性
持続可能なHOUDINIからは、シャツを選びました。
天然の抗菌効果と帯電防止機能を備えており、スポーツから日常生活まで幅広いシーンで使える1枚です。
ちなみに、「ブルーサイン」は、「世界最高レベルの消費者の安全や労働者と環境への最小限の影響、資源の節約」を示す認証です。スイスに拠点を置く団体が認定をしています。(参考:Sustainable Japanより https://sustainablejapan.jp/2017/02/19/bluesign/25779)
パンツ:Haglöfs(ホグロフス)
Haglöfs(ホグロフス)は、1914年にスウェーデンで生まれたアウトドアブランドです。100年以上の歴史があります。北欧の厳しい自然環境に耐えうるバックパックやウェアを作ってきました。
ホグロフスのパンツでは「L.I.M SERIES FUSE PANT MEN / WOMEN」が良さそう。軽量で速乾性が高く、アウトドアだけでなく旅行シーンでも活躍しそうです。シンプルなデザインなので、どんな服とも合わせやすいです。
- オーガニックコットンやリサイクル資材の使用
- 石油消費量削減のために工場出荷を慎重に管理
- PFCガス(温室効果ガス)を使用しない防水効果技術の開発
- ブルーサインとフェア・ウェア・ファウンデーションの2団体に参加
なお、ホグロフスで「サステナブルチョイス(Sustainable CHOICE)」のタグがついた商品は、「ブルーサイン商品であること」「リサイクル資材を使用していること」「オーガニックコットンを使用していること」の3つのうち1つ以上に該当しています。
シューズ:Keen(キーン)
2003年の創業以来、有害物質の排除やリサイクル素材の使用などを行なってきたフットウェアブランド、Keen(キーン)。<Detox the Planet>(地球をデトックスしよう)という環境負荷を減らす考えのもと、さまざまな取り組みを行なっています。
- 多くの商品でリサイクルPETを使用
- 天然原料の防臭加工技術を採用
- 過フッ素化合物(PFC)を使わない撥水加工
- レザーシューズの95%以上が環境に優しいLWGレザーを使用
Keenからは大人気のスニーカー、ジャスパーをチョイス。
天然の抗菌防臭加工と環境優先型のプレミアムレザー、つま先はリサイクルPUにコルクを混ぜこんだ環境配慮型のフットベッド(足裏を支えるインソール)が使用されています。
バックパック:deuter(ドイター)
1898年にドイツ南部で生まれ、ハイブランド・バックパックを製造しているのがdeuter(ドイター)です。経済、生態系、社会問題においてバランスの良い社会を保つべく、持続可能な取り組みを行なってきました。
- ブルーサインとフェア・ウェア・ファウンデーションの2団体に参加
- 過フッ素化合物(PFC)を使わない撥水加工
- ヨーロッパ・アウトドア保全協会(EOCA)の創設メンバー
ドイターのFUTURA 21 SLは、ハイキング用に作られたスポーツバッグ。ドイターのリュックサックの通気性に惹かれてファンになった方は多いようです。通気性については1930年から改良を重ね、さらに軽量でフィット感のあるリュックを開発し続けています。
靴下:Allbirds(オールバーズ)
「カーボンフットプリント」(製品の製造から廃棄までの全行程で生じる温室効果ガスの排出量)ゼロを目標にしているAllbirds(オールバーズ)はアメリカ シリコンバレー発のスニーカーブランドです。2020年1月に日本に出店した時から、フットウェアの一環として靴下にも力を入れてきました。
- カーボンフットプリントの数値がゼロになるまで、製品ごとのカーボンフットプリントを明記し続ける姿勢
- 肥料を最小限に抑え、灌漑を必要としない繊維テンセルリヨセルを使用
- 天然の消臭機能を備えたTrinoXO™(カニ殻)を開発。これは灌漑を必要としない
- 90%リサイクルダンボールの梱包材
再生可能な素材で作られたTrino Quartersを履いてみましょう。FSC認証を得ている森林のユーカリの木とZQメリノウールを組み合わせたソックスは、肌触りが良く、通気性も良さそうです。
サンダル:BOHONOMAD(ボホノマド)
トルコ発のサンダルブランド、BOHONOMAD(ボホノマド)は動物性原料を一切使わず、製造工程では有害物質を極力排除するなど地球に優しい取り組みを継続的に行っています。
- トルコ現地の女性に、継続的かつ保険制度のある雇用を生み出す
- 動物性原料を一切使わないヴィーガンロープサンダル
夜はテントを立てたら、サンダルに履き替えてもよいでしょう。
エコフレンドリーな「ヴィーガンロープサンダル」は、メキシコ北西部の住民タラフマラ族伝統の靴「ワラチェ」をベースに作られたサンダルです。洗濯機での丸洗いが可能で、耐久性と弾力性に優れた軽量な天然ゴムを使用しています。
ボホノマド参考サイト:https://web.goout.jp/fashion/157925/
環境と関わるアウトドアブランドだからこそ、考えて選びたい
コロナ渦ということもあり、テーマパークや商業施設ではなく青空の下でキャンプや登山を楽しむ方が増えています。グッズなどと併せて、アウトドアファッションも揃える方が多いのではないでしょうか?
アウトドアは美しい自然があってこそのアクティビティです。エシカルなアウトドアブランドで、人にも地球にも優しいファッションを楽しみませんか?
文:古賀瞳
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