アースデイ東京2021 代々木から世界と出会い、地球を考える

2021年4月17,18日に代々木公園で開かれたアースデイ東京の現地レポートです。


アースデイとは

4/18は日曜日。

空もすっきり晴れて、木々の緑が彩る東京・代々木公園を歩く。

今日は年に1度開催される「アースデイ東京」の2日目だ。

アースデイとは「地球のことを考えて行動する日」のこと。今回のアースデイ東京のテーマは「新しいつながり 新しい当たり前」。

代々木公園のイベント会場にて、いろんな団体が商品を販売したり、取り組みを広めに来る。

昨年は新型コロナウイルスの影響でオンラインのみの開催だったが、今年は対策を徹底した上でオフラインで実施され、かなり賑わっていた。

イベント会場に向かう途中で、すでに大きな音が聞こえていたので、入場するやいなやすぐにメインステージに向かうと、アーティストのライブが行われていた。

子連れの家族と年配の方が多く来場しており、和やかな空間だ。

筆者がアースデイ東京を訪れたのはこれが初めて。

フードコーナーも充実している。5,6店舗ほどの出店でナポリタンやステーキ、ケバブなどが販売されていた。

賑やかで、どこか夏祭りのような雰囲気。

学生でも友達を誘って行ってみると楽しそうだ。

イベントの全体像はこんな感じ。

海外支援のブースにて、海外の方と会話をする機会もあった。日本の地方や海外など、いろんな場所が一箇所に集まったような祝祭性があって素晴らしいな、と感じた。


オシャレな商品に出会う

さて、イベントで筆者が惹かれた商品や取り組みを紹介していこう。

最初に目に入ったのはおしゃれなコスメグッズとコーヒーカップ。

コーヒーカップ

とくにアースデイ東京のようなイベントでは環境に配慮したストーリーをもつ商品が多く並ぶ。さらに、このようにバックグラウンドを知らなくても、オシャレで直感的に惹かれるが見つかるとうれしくなる。

竹を素材にした服

私たちは「地球のことを考えて行動」と聞くと、分かりやすく環境問題と向き合うような商品を連想しがちだが、「竹を素材にした服」や「インド藍で染めたバッグ」など、「クールさ」を意識した商品も見られた。

不思議と「欲しい」「買っちゃおうかな」と思ってしまう。その理由については後ほど綴ろうと思うが、手にとって触れる距離感はオフラインならではの魅力だ。

写真だけを見ると、普通のオシャレな商品に思えるが、これらはすべて「捨てられてしまう素材をもとに生まれた商品」だ。

落布でできたくつ下。

プラスチックから形になったカラフルなバッグ。

処分されてしまう木を加工した器。

深い黒色の器を手にとって「これは自然の色なんですか?」など「つくられる過程」を聞き、興味を持って購入する人が多く見られる。

多くの店の1つ1つを回っているうちに、そんな素材の循環を大切にするという一体感を感じた。


お茶とコーヒーによる支援

支援を目的とした活動をしている団体も多くあった。

被災をきっかけに始まった支援活動や、フェアトレードを含めた海外支援などがあり、共通して「作った商品を売って、売り上げで支援する」というスタンスをとっていた。

海外の支援においては「お茶」と「コーヒー」がキーワードだ。

原産のハーブティーやコーヒー豆、溶かしてジンジャエールがつくれるスパイスなどもあって非常に興味深い。

団体で活動されていることもあり、接客と同時に団体紹介もしてもらえる。

「私たちはこういったことを目指してこんな活動をしています。興味があったらぜひここに連絡してください!」パンフレットをいくつも受け取る。

ふだん出会わないような世界を、かんたんに体験できることを素晴らしいと感じた。

開放されたイベント会場でちょっと寄っていけるような空間づくりがあって、これもオフラインならではの魅力だと思う。

「新しいつながり 新しい当たり前」が体現されている。

「エシカル」という言葉は広義であるため、「健康」というワードも入ってくる。

自然由来の原料を用いた食べ物や、砂糖不使用のパン。

筆者自身、コンビニに行った際は「低糖質のチョコレート」を買うことが多いが、「食べる」という日常の営みからエシカルは広がっていきやすいのではないかと感じた。

マッサージ!!??


山羊と熊

動物関係は「山羊」と「熊」。

山羊のつくったミルクでできたモッツアレラチーズ。

牛のミルクでつくられたものもあり、ジュニパーベリーなどのハーブと一緒に食べると血の巡りが良くなるそうだ。

食感はカマンベールチーズとエメンタールチーズだという話も伺った。

お店をしている人と訪れた人が、商品を通じて交流できることがこのイベントの魅力だ。

イベント会場は決して広いわけではないが、そこには世界中の視点がある。

熊の保護活動をしている団体もあった。

木が多く伐採されてしまうせいで、都市に降りてきた熊が通報され、殺されてしまう。そんなケースが年間で6000件もあるそうだ。

熊は生態系の頂点であるから、熊を保護することが生態系を回復させることに繋がるのだと、年配の方が私のような若者にも熱心に話してくださった。

森で植林活動をするなどアクティブな活動をされている。


まとめ

全体を見て回って、私が感じたのは「イベント全体の団結力」と「出店(でみせ)という魅力」の2点だ。

「エシカル」という言葉は幅が広いため、環境問題にしろせよ支援活動にせよ、目的はそれぞれ異なる。しかし、どこかこのアースデイ東京というイベントを通じて「団体同士の一体感」を感じることができた。

それは商品のタグが基本的に紙でできていたり、売られているものがどれも「オシャレさ」を意識した仕上がりになっていること。

お客さんへ積極的に話しかける姿勢、熱意。

そういった共通点が多く見られたからだと思う。

それらは偶然ではなく、きっと「エシカル」を考えることは「地球」を考えることと同じで、一人ひとりの行動が、いろんな課題に関与しているということなんだと感じた。

今回イベントに足を運んで「作った人の顔を見ながら、目を合わせて商品を取り巻く課題を話す」という体験は本当に貴重で、大切なことだと感じた。


文/写真:村木瞬


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