再利用可能な「みつろうラップ」は、サステナブルな食品保存用ラップです。この記事では、お好きな布を使って作るオリジナル「みつろうラップ」の作り方をご紹介します。
「みつろうラップ」はお家でかんたんに手作りして長く使うことができます。みつろうは天然の素材であり、最後に捨てる時も土に還ります。プラスチック製ラップの代わりにみつろうラップを使えば、キッチンまわりが環境にやさしくなります。
みつろうとは?
みつろう(蜜蝋, Beeswax)は、ミツバチの巣を溶かして固めたものです。巣の材料となる蝋(ろう)は、蜂蜜を食べたミツバチのお腹にある蝋腺という器官から分泌されて、巣を作ります。みつろうは、抗菌性と保湿性に優れており、化粧品や蝋燭、クレヨンなどの原料として使われています。
みつろうラップの作り方
<準備するもの>
・布(綿100%)
・みつろう
・新聞紙またはタオル
・クッキングシート
・アイロン、アイロン台
・ 植物性オイル(ホホバオイルやココナッツオイルは、抗菌作用が高まります。)
<手順>
①布を好きなサイズにカット
布を使いやすいサイズと形にカットします。布の周りをギザギザにカットすると、ほつれにくくなります。
②布に植物性オイルをぬる
アイロン台に新聞紙またはタオルを広げて、その上にクッキングシートを置きます。カットした布の全体に植物性オイルを塗ります。
③アイロンでみつろうを溶かす
布にみつろうをバラまいて、上からクッキングシートを重ねます。低音のアイロンでみつろうの溶ける状態を確認しながら、温度調節します。みつろうが足りない箇所には、みつろうを足して、布全体に浸透するとように溶かします。
⑤クッキングシートをはがして、乾かす
上のクッキングシートをはがして、アイロンの熱をとります。冷めたら、下のクッキングシートから布をはがして、乾かします。
⑥布が完全に乾いたら、完成です!
みつろうラップの使い方
野菜やフルーツ、お弁当のサンドイッチ、お菓子の残りなどをラップするのに適しています。熱に弱いので、常温または冷たいものを包みましょう。手の温もりでみつろうをやわらかくしながら、包みたいものにラップの形を整えて使います。
みつろうラップの洗い方
使い終わったら、水で洗います。なるべく手でやさしく洗ったほうが良いですが、汚れが落ちない場合は、食器用洗剤を使ってキレイにします。水洗いをしたら、風通しのよい場所で、しっかり乾かしましょう。
<みつろうラップ使用の注意点>
みつろうラップは熱に弱いため、使う時は以下の点に気をつけます。
・お湯で洗わない
・生肉や生魚をラップしない(熱湯消毒ができないため)
・直射日光に当てない
・電子レンジで温めない
・酸性の強い食材(柑橘類等)に使用しない
1年ほど使ってみた感想
私はみつろうラップを使いはじめてから、プラスチック製ラップを購入することがなくなりました。今、プラスチック製ラップを使い慣れている方は、みつろうラップへ代替できそうな食材から、包んで試してみることをおすすめします。
キッチンには、いつも5枚くらいのみつろうラップを用意しています。毎日使って、1枚が半年〜1年ほどもちます。表面のみつろうが傷んできたと感じたら、新しいものを作り、交換しています。ひとつひとつ手作りすることで、台所用品としても愛着が湧きます。
まとめ
みつろうラップに使われているみつろうは、抗菌性と保湿力が高いという特徴があるため、食品の鮮度をきちんと保ってくれます。温かいものを包むことや、電子レンジの利用には適しませんが、それ以外の点では、ラップとしての使い勝手はとても良く便利です。それに、カラフルなみつろうラップがキッチンに並ぶと、見た目にも可愛く、日々の調理が楽しくなります。
みなさんも、好きなデザイン布を使って、オリジナルの「みつろうラップ」を作ってみませんか?
文・写真:ブラウン美帆
出典:HAKOBU LIVING(ホームページ)
Instagram HAKOBU LIVING
Twitter HAKOBU LIVING
* オリジナル記事はこちら。上の記事はエシカルSTORY用にアレンジして寄稿されています。
ブラウン美帆 フリーランス・ライター
エシカルなライフスタイルを提案する情報サイト「Hakobu Living」を運営。
国際結婚を経てアメリカへ移住し、エコでエシカルな生活を体験する。映画「ザ・トゥルー・コスト(ファストファッション 真の代償)」を観たことをきっかけに、本格的にエシカルな暮らしを目指す。日本で「エシカル」をライフスタイルに取り入れるための、アイデア記事を執筆している。
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