気候変動(地球温暖化とほとんど同じことをさしています)について、正しく科学的に学べる10の記事をまとめました。

気候変動とは?
とても暑い日が続いたり、大雨が降ったり、異常気象が増えています。
そういった異常気象と、気温の上昇のため、夏が長くなり、お米や農作物が育ちづらくなったり、水産物がこれまでのようにとれなくなったりしています。これを「気候変動」(きこうへんどう)と言います。つまり、天気や気温が大きく変わってきています。「地球温暖化」もほとんど同じことを意味しています。
その仕組みをかんたんに言うと、大気中(空気中)のCO2(二酸化炭素)の量が増えることで、地球上に熱がこもりやすくなります。そのために気温の上昇や異常気象が起こります。原因は、この200年くらいの人間の活動によります。主に工業化のために、二酸化炭素や温暖化を進める物質が、大気中に増えたのです。
したがって、大気中の二酸化炭素をあまり増やさず(再生エネルギーや電気自動車(EV)など)、むしろ減らす(森林保全や藻の育成などにより)ことが「気候変動対策」です。
世界は30年くらい、気候変動に対策してきた
「気候変動」は実は、最近知られるようになったわけではなく、ヨーロッパやアメリカを中心に、長く研究の歴史があります。日本でも「温暖化」「地球温暖化」という言葉は、20年以上前からありましたし、話題になってきました。
世界でも、科学にもとづいた確かな話として、30年くらい前から「気候変動」は注目され、「地球全体があやうくなる」と言われてきました。特にリーマン・ショック(2008年のアメリカ発の金融危機)のあとは、「強欲な資本主義」を見直す動きが広まった時期でした。それにともなって、気候変動対策やサステナビリティ(持続可能性。SDGsと同じような意味)がビジネスの世界でも注目され、事業に変化が出てきました。
しかし、日本では主にエリート層の無知と無関心、メディアや政府、自治体の怠慢のために、対応が遅れました。本来は、報道や発信がもっと広くなされ、継続されるべきでした。
* ただし、大手新聞、雑誌、本、専門家やさまざまな団体をふくめ、情報や発信がなかったわけではありません。ゼロかヒャクかではないので、ご注意ください。
今、現実を知り、地球や社会を保ち、良好な状態を作るために、気候変動や地球温暖化について学べる記事を10紹介します。
基本の知識
まずは、エシカルSTORY(このサイト)より。気候変動の基本を解説した記事です。科学的な背景や歴史にもふれています。
世界の対応
世界で進む「環境」重視の資本主義とは、どんなものかを紹介しています。それは「サステナビリティ」(持続可能性)や「ネイチャーポジティブ」(自然に良い)という言葉で知られています。
日本の動き
日本でも、「気候変動に対策しよう」という動きは拡大し、広まってきました。それは「気候変動イニシアティブ」という同盟としてまとまっています。
しかし、対策をがんばっているのが「消費者によく名前を知られた企業」でない場合もありますし、企業や行政による発信が不十分であったり、生活者の側がきちんと情報を集めない場合もあります。そのため、対策の動きは、必ずしもよく知られてはいません。それでも、大きな企業・中小企業・自治体・団体などが気候変動に取り組んでいることは事実です。
ぜひ、この記事を読んでみてください。
Jリーグの動き
プロサッカーのJリーグは、早くから気候変動に対応してきました。暑すぎると、子どもも大人やプロも、サッカーができなくなるからです。この記事はメディア「オルタナ」の記事です。
オルタナは、世界のサステナビリティ、SDGsについて広く、適切な情報を発信し続けています。基本はビジネスパーソン向けで、月額1000円程度の有料会員制度もあります。
Jリーグが国際イニシアティブに、気候変動対策も世界水準に(オルタナ)
数字やデータを見る
数字やデータでみると、ただ文章を読むよりも、実感がわきます。メディア「ELEMINIST(エレミニスト)」は、エシカル(消費)やサステナビリティについて発信し続けています。生活になじんだ、実感をもちやすい記事が多いのが特徴です。
何もしないともっと暑くなる 数字で見る「暑さと気候変動」(ELEMINIST)
企業や行政の最新情報
日本の大手メーカーであるNECがAIを利用し、アフリカと連携し、農業の分野で、気候変動に対策しています。
メディア「Sustainable Japan(サステナブル・ジャパン)」は、気候変動をはじめ、サステナビリティ全体について最新情報を集めるためにおすすめです。特にビジネスパーソンにおすすめ。ただし、多くの記事は月額1万円程度の有料会員でないと読めません。タイトルだけでも、目を通すのはよいです。
【アフリカ】NECとClimateAi、農業の気候変動適応でROI算出のコンセプトモデル開発(Sustainable Japan)
メディアの連携を知る
ひとくちに「メディア」と言ってもいろいろあります。本も雑誌もメディア。新聞、テレビ、ラジオもメディアです。そうしたメディアの連携をつくり出すことで、より広く、より適切に、情報を発信し、よりよいコミュニケーションを続けるために活動しているのが「Media is Hope(メディア イズ ホープ)」という団体です。
メディア・イズ・ホープさんは「再エネの日」(2025年は9月27日、28日に開催)などのイベントやSNSの発信にも熱心です。ぜひ、注目してみてください。
[講談社SDGs by C-station] FRaU編集長、関 龍彦さんとの対談記事が掲載されました!!(Media is Hope)
大阪万博2025の環境
大阪万博でも「気候変動」は大きなテーマです。9月17日からはじまるテーマウィーク(1週間のテーマ)は、「地球の未来と生物多様性」という題です。ここには、気候変動、脱炭素、再生可能エネルギー、ネイチャーポジティブなどのキーワードがふくまれます。
地球の未来と生物多様性(大阪万博2025年)
環境省の声
今は行政も自治体も熱心に、気候変動に取り組みはじめています。2025年7月に環境省から出た声明です。
「我が国政府は、地球温暖化防止はもとより、経済成長・エネルギー安定供給の同時実現を目指し、今後も揺らぐことなく脱炭素に取り組んでいきます。また、国民の命と財産を守るための気候変動適応策を、政府一丸となって進めています。」
気候変動の科学的知見の普及に向けた環境省の取り組みについて(環境省)
国際的な裁判が「気候変動対策」を義務にした
国際司法裁判所(こくさい しほう さいばんしょ)が、世界のすべての国に「気候変動対策」を義務として認めました。それは地球の気候システム(大気や水や森林など)と、地域社会、生態系、私たちの生命を守るように勧告する内容です。
ずっと前から環境、動物、生命を守るために熱心な WWF(公益財団法人 世界自然保護基金 ジャパン)が記事で紹介しています。
国際司法裁判所が国家の気候変動対策の義務を認める!(WWFジャパン)
* よりくわしくは、国立環境研究所の記事「法の支配に基づく新たな気候変動対策時代の幕開け —国際司法裁判所の勧告的意見を読み解く」を参考にしてみてください。
まとめ
以上、「気候変動と温暖化の今を知る」ために、10の記事を紹介しました!
さらに、これらの記事を載せているサイトについても伝わると思います。私たちのエシカルSTORYだけでなく、ほかのメディアや組織・団体、研究機関のサイトもぜひ読んでみてください。
みなさまが、正しく適切な情報を知り、広める手助けになれば、さいわいです。
文:木村洋平