そろそろ寒さが迫る季節です。手先や足先が冷えやすい、のどを痛めやすい、心身の調子を底上げしたい、そんな時に合うハーブティーとハーブにかかわるエシカルを紹介します。
ハーブティーってなに?
ハーブは薬効のある草です。日本でも、よもぎの葉でお茶を淹れたり、どくだみ茶を飲んで毒を出したり(デトックス)と、古くから体調を整えるために野草を用いてきました。そのヨーロッパ版が「ハーブティー」と言えます。
ここでは冬にからだを整えるのにぴったりの、3つのハーブと3つのブレンド・ハーブティーを紹介しながら、「エシカル」なポイントについても話します。
おすすめ1:カモミール
カモミールは今の日本でも代表的なハーブティーです。おしゃれなカフェでメニューに見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。
ハーブティーに用いられるのは、主にジャーマン・カモミールという花で、ドライにして熱湯で抽出します。甘い匂いがし、色も穏やかな黄色で、飲むとからだが温まります。
薬効としては、胃腸の調子を整え、気分をリラックスさせるとされます。眠る前に飲むと、よく眠れるともいいます。
ところで、『ピーターラビット』という絵本はみなさんご存じかもしれません。その第一話で、わんぱくなピーターが小さな冒険から帰ってきた時、お母さんが飲ませてくれるのがカモミールのハーブティーです。
『ピーターラビット』は今から100年以上前にイギリスで出版された本です。ハーブティーが生活に馴染んでいることがわかります。それどころか、ヨーロッパでは中世の頃からハーブを医術や生活に取り入れてきました(古代ローマ時代から用いられていた、とも言われます)。
みなさんも、一日、遊ぶか仕事をしたら、夜はカモミールのお茶を飲まれてはいかがでしょう。
おすすめ2:リコリス
リコリスは、日本では甘草(かんぞう)として知られるハーブです。これは「甘草」の名前の通り、甘みのあるやわらかな味わいのお茶に煮出せます。ちなみに、リコリスは「根」をハーブティーに使います。
なぜ、これが冬によいかというと、リコリスは咳やのどの痛み、それに口内炎などに効くとされているからです。どうしても乾燥しやすい季節、リコリスのハーブティーでのどを潤すとよいかもしれません。
おすすめ3:マグワート
マグワートは、日本でいう「よもぎ」に当たります。胃腸によく、からだを温めるのによいとされています。おなかを冷やしやすい冬にはぴったりのハーブといえます。
ところで、「マグワートティー」という商品は、おそらくほとんど見かけないでしょう。実は「リコリスティー」も、なかなかカフェやお店で見かけることがないと思います。
なぜかというと、これらのハーブは主に「ブレンド」で用いられるからです。そして、1番目に紹介した「カモミール」も、単一の「カモミールティー」だけでなく、むしろブレンドで活かされるのが現代風の飲み方かもしれません。
ブレンドしたハーブティーのおすすめ
ハーブティーのブレンドは、世の中にたくさんあります。有名なブランドもあれば、調合師がオリジナル・ブレンドを出している場合もあります。実は原材料を買えば、自宅でもブレンドできます。
とはいえ、これらを取り上げるとキリがないので、ここでは「エシカルSTORYレター」(私たちが運営する別のサイト)でも取り扱っているハーブティーを例として挙げます。
ブレンド紹介1:ナイトタイム
「ナイトタイム」(夜の時間)というブレンドでは、「カモミール」と「リコリス」を両方使っています。味や香りはカモミールがベースになっている印象です。
まろやかで染み渡るような味わいで、心身を休めてぐっすり眠るのに適したハーブティーです。
ブレンド紹介2:アップル&エルダーフラワー
りんごと「エルダーフラワー」というハーブをベースにしたブレンドです。これにも「リコリス」が含まれています。エルダーフラワーは優しい味のハーブですので、りんごと合わせると秋冬の時分にぴったりの「温かくて優しい」口当たりになります。
上の「ナイトタイム」よりも爽やかに感じられるひともいるかもしれません。カモミールとエルダーフラワー、どちらが飲みやすいかで選ぶのもよいでしょう。
ブレンド紹介3:「温まるお茶」
「ヒルデガルトのお茶」というシリーズのひとつ「温まるお茶」。ヒルデガルトはドイツ中世の修道女で、ハーブの研究にも業績のあるひとです。このシリーズは、歴史あるレシピに基づいて調合されています。
ヒルデガルトのお茶で面白いのは、いろいろなスパイスが用いられているところです。「温まるお茶」では、フェンネルとガランガルが入っています。あまり馴染みがない名前かもしれませんが、例えて言うとコショウ(胡椒)をお茶に入れて飲むイメージでしょうか。
ハーブ(薬草)だけで作られたブレンドと飲み比べると、スパイスが効く感じは独特で楽しめるかもしれません。
以上、3つのブレンドを紹介しました。いずれも、「エシカルSTORYレター」でお買い求めいただけます。個包装でお送りしていますので、試飲にも向いていると思います。
エシカルなハーブティーとは?
最後に、「こういうハーブティーのどこがエシカルなの?」という話をします。上の3つのブレンドは、どれも「有機栽培(オーガニック)」の原材料だけを使って作られています。
せっかく、少量をじっくりと味わうハーブティーで、農薬や化学肥料が多く使われていたら、飲むのに落ち着かないでしょう。自分のためにも生産者のためにも、有機のハーブティーを買うのはよいことだと思います。
そのほか、フェアトレードの認証ラベルがついている商品もありますし、パッケージが紙で出来ていて、ビニールを使わない、という環境への配慮が見られるものもあります。
ハーブティーは、仮に毎日飲むとしても大量に消費するものではないですので、エシカルな商品を選んでも、さほど高くつかないのではないかと思います。
まとめ
秋から冬にかけて、寒暖差や日照時間の変化があり、体調を崩しやすい季節です。精神面も揺れ動きやすい時期かと思いますので、エシカルなハーブティーで調子を整えられるか、試してみてはいかがでしょうか。
* 上で紹介したのは、それぞれ「PUKKA(パッカ)」「CLIPPER(クリッパー)」「SONNENTOR(ゾネントア)」というブランドの商品です。各ブランドにほかにもいくつもの商品がありますので、この記事を入口にご自身で試してみることもおすすめです。
注意すること
1.ハーブは、ヨーロッパでは薬効を求めて使われますし、「薬のような扱い」とも言いますが、少なくとも日本では「医薬品」ではありません。一概に「効く」とは言えませんので、ご自身の判断で、合った使い方を探してみてください。
2.ハーブによっては、妊娠中の方によくないという説があるものもあります。また、たとえば「胃腸によい」とされるハーブティーも、何杯も飲んだり、胃腸が弱っている時に飲んだりすると、刺激が強いことがあります。これは「睡眠によい」といったハーブティーも同様です。お気をつけください。
3.ハーブの解説をするサイトはいくつもありますが、ゾネントアのホームページにある解説はお勧めできます。説明が簡潔で、信頼も置けます。
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