大阪万博(2025年)のNTTパビリオンでは、子どもの体験格差を解消するための「ドコモ未来フィールド」がNTTグループの協力のもと開催されました。トーク、クイズ、学び、時間と空間を超える新技術の体験により、子どもたちの未来が開かれます。

取材:2025年9月28日(日)
大阪・関西万博2025で開催されたNTTグループによるイベントを取材しました。「子どもの体験格差」を解消するため、「時間と空間を超えた未来のコミュニケーション」というテーマで実施された「ドコモ未来フィールド」です。小学5年生〜中学3年生の子どもと保護者、合わせて約60名が参加しました。
(1)トーク&クイズ
EXPOサロンで、 QuizKnock(クイズノック)によるトーク&クイズがおこなわれました。冒頭にQuizKnockの伊沢拓司さんからのビデオメッセージを観た後、須貝さんと東問さんが元気よく登場し、トークとクイズで楽しませてくれました。NTTパビリオンを担当するNTTの久我さんによる丁寧な解説もあり、子どもたちは楽しそうでした。
QuizKnockのおふたりがやってくれた役割は、「トークやエンターテイメントを通じて、通信の技術や歴史の専門的な知識を、わかりやすく一般向けに伝える」というサイエンス・コミュニケーターの仕事でした。プロフェッショナルだと感じました。

(2)NTTパビリオンの中
EXPOサロンを出た後、子どもたちは保護者とNTTパビリオンに向かい、「時空を旅する」体験をしました。NTTパビリオンでは、Zone1からZone3までの3つの異なるゾーンを回遊することで、来場者は「時間と空間を超えたコミュニケーション」を体験できます。

Zone1 で子どもたちは、手紙や電報から現在のスマートフォンまでにいたる「通信手段の進化」とそれでも超えられない「コミュニケーションのへだたり」について、壁面全体に広がる巨大LEDビジョンを使って体験しました。
Zone2 で子どもたちは、そのへだたりを超える未来の通信技術IOWN(アイオン)による史上初のリアルタイム3D空間伝送を体験しました。3D眼鏡をかけると、目の前のビジョンに映し出される「Perfume」の特別ライブ映像が未来のコミュニケーションの可能性を学ばせてくれます。子どもたちは臨場感たっぷりの映像や空間演出に感動していました。
* IOWN(アイオン)とは、最先端の光技術を使って、豊かな社会を創るための構想です。省エネ、大容量・高速の伝送を実現し、医療から金融、教育、交通、エネルギーまで、日常生活に恩恵をもたらします。(IOWNは、Innovative Optical & Wireless Networkの略。)
Zone3 で子どもたちは、スキャンブースでの撮影をもとに生成された自分の分身=「Another Me®(もうひとりの自分)」 を通じて、自分の新たな可能性に気づいた様子でした。コミュニケーションはデジタル世界で自在に拡張できることがわかります。

(3)パビリオンを覆う幕の演出とカラフルな布
パビリオン内での体験を終え、外に出ると、館内の笑顔に反応して館外の幕が揺れる「IOWN光コンピューティング」の仕組みに気づきます。子どもたちは、幕が不規則に揺れるのを見て「感情をまとうパビリオン」の仕掛けを十分に味わえました。
最後に、「一緒につくるパビリオン」というテーマのもと、NTTグループでは、体験するだけでなく来場者自身も展示づくりに関われる取り組みを行っていました。外壁にはカラフルなリボンが結ばれており、親子で「自分が思う未来の色」を選んでリボンを結びつけ、須貝さんと東さんとの記念撮影をして今回のプログラムは終了しました。

企画した方々への取材
イベント終了後に、NTTの久我さんとNTTドコモで、ドコモ未来フィールドの遠矢さんにインタビューをしました。おふたりのお話をかんたんにまとめます。
「コロナ禍を経て、「人の温もり、相手の存在」を感じられるコミュニケーションの重要性があらためて感じられています。NTTでは、IOWN(アイオン)をはじめとする新技術により、五感を使った「奥行き」のあるコミュニケーションを作り出し、相手の存在を感じられるように考えています。
また、IOWNは新しい光電融合(こうでんゆうごう)技術を使うことで、電力の低消費、大容量・低遅延のデータ送受信を可能にします。
今回のイベントや新技術の紹介を通して、未来にワクワクや明るさを伝えられたらよい、と考えて挑戦してきました。これからも、子どもたちの心が動き、興味が広がり、道がいくつもあると思えるきっかけを作ります。」

まとめ
NTTグループは、NTTパビリオンと「ドコモ未来フィールド」で、子どもの体験格差を解消するために保護者とともに参加できる本イベントを企画しました。
万博という人が集まる場所に行き、リアルに歩き、イベントに参加して最新の技術や知識に触れられたことは子どもたちの財産になるでしょう。
* 子どもの体験格差:家庭ごとの貧富の格差や都市と地方の格差などにより、学校の外で子どもが体験できる出来事や学びに格差が生じること。スポーツや旅行、読書、映画を見るなど。
取材・写真・文:木村洋平
取材協力・写真提供:NTTドコモ

「ドコモ未来フィールド」は、子どもたちが、さまざまなプロのセカイを体験できる機会を創出し、大切な学びや夢をみつけてもらうためのプロジェクトです。

QuizKnock【クイズノック】とはクイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。YouTubeやWebメディアをはじめとして、書籍の刊行やイベントの開催、学校での講演活動などに取り組んでいます。