読書会に参加してみませんか?

これからの時代には、本を読む重要性がより高まっていきます。読書会は本を読む効果を高めたり、地域のコミュニティになったりします。

カラフルな本の背表紙が並ぶ

読書会とは?

 読書会というものを聞いたことがあるでしょうか? 本が好きでも「聞いたことがない」という方もいらっしゃるかと思います。読書会を知るときっと参加をしてみたくなり、参加すると本を読むのがもっと好きになるでしょう。読書会は、本を読む集まりです。海外では「ブッククラブ」と呼ばれています。
 ひと言で読書会と言ってもさまざまな種類があります。代表的なものは課題本型の読書会です。指定された本を事前に読んできて、感想をシェアしたり、わからなかったところを討論したりすることで理解を深めていきます。本の紹介交流型の読書会もあります。一人ひとりが好きな本をもってきて、その本の魅力をプレゼンします。ルールがしっかりと整備されたものとしてビブリオバトルというものもあります。ビブリオバトルは学生大会等も行われており、動画サイトにもあがっています。

* 参考:知的書評合戦 ビブリオバトル公式サイト


本を読むことと読書会に参加する意義

 「本は本来、ひとりで読んで楽しみ、完結するもの」と考えられる方も多いかもしれません。たしかにひとりで本を読む意義もあると思うのですが、これからの時代に読書会に求められる価値もあると考えています。
 まず、今の時代に本を読む意義についてお伝えします。今は検索をするとなんでも答えのようなものが手に入る時代です。しかし、それが正しい情報なのかそうではないのか判断する目を養っておかなければいけません。インターネット上の情報は真偽がわからず、信頼性が低いものも少なくありません。書籍は通常多くの人の確認を通して作られています。また、書籍はテーマについて深く述べられている分、深く学ぶことで洞察力を鍛えることができ、その蓄積が情報に触れるときに役立つでしょう。
 また、本は時代と場所を選ばずに読むことができます。もちろん絶版になり、手に入らない本もありますが、多くのものが過去であっても、外国のものであっても手にして読むことができます。グローバル化が進む中で、異なる文化や歴史を学ぶことの重要性は増していくでしょう。
 そのほかには、自分のペースで読むことができる点も大切なところです。わからなければ立ち止まって考えることができます。読書は内省の時間となり、自己理解や自己成長につながる機会になると考えます。
 次に、読書会に参加する意義について考えていきます。私が読書会に参加したきっかけは、読んだ本の内容のアウトプットをすることでした。それまで本は読みっぱなしでした。本の感想をSNSに書くようになり、その次のステップとして読書会に参加をしました。読んだ内容をすべて覚えておくことはできませんが、読んだ内容を話すことで、より大事な部分は脳へ定着すると感じています。これは課題本型の読書会であっても、紹介交流型の読書会であっても言えることです。
 主催するようになって感じることは読書会というものが、一つの地域コミュニティとして機能するのではないかということです。私が主催する「札幌ゼロ読書会」は30代から50代の方の参加が多いです。男女比は女性の方が多めですが、ほぼ半々です。平日の夜に開催しているため仕事終わりに参加される方が多いです。性別、年代も仕事もちがう人たちが集まって好きな本の話で盛り上がる。それだけ聞いても素敵なイメージをもっていただけるのではないでしょうか? 気に入ってリピートしていただける方もいらっしゃいます。そういう方々にとって読書会は家と職場以外でくつろげる場所、つまり「サードプレイス」となっているように感じます。


読書会が気になったら

 もし、読書会が気になったらまず、お住まいの地域と「読書会」というワードで検索をしてみてください(例:「札幌 読書会」)。きっとイベント募集サイト等の案内があるのではないかと思います。また、最近はオンライン開催しているものもありますので、そちらを探していただければご自宅からでも参加できます。
 初めて参加するのはなかなかハードルが高いかもしれません。しかし、本が好きな人が集まる場所ですし、ためしてみるのはよいと思います。また、主催者や団体によって雰囲気も異なるところがあるので、一度参加してイメージとちがった場合は、ほかのところを探してみるのをおすすめします。
 本を読むことの重要性は今後より高まっていくでしょう。さらにその読んだ本の内容を語り合う読書会に参加することでより充実した生活が送れるのではないでしょうか。
 私は「札幌ゼロ読書会」という名前で月に1〜2回、カフェ等のスペースをお借りして開催しています。募集人数には限りがありますが、お近くの方はタイミングが良いときにご参加いただけるとうれしく思います。


文:井田祥吾

井田祥吾(いだ しょうご)
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」を開催しています。2024年で丸7年、開催回数は150回近くになりました。
読書会のご案内&本の紹介ブログ:https://sapporozerodokushokai.com
note 井田祥吾:https://note.com/shogogo0301/

* 編集部注:今回は、記事の本文を「本」のように組んでみました(改行や段落など)。