夏至の夜はキャンドルに火をともそう♪

夏至は一年でもっとも夜が短い日。せめて夏至の夜くらいはキャンドルの明かりですごし、電気にたよらない生活をためしてみませんか──それがキャンドルナイトです。

ハートの形にならべられたキャンドル

2024年の夏至(げし)は、6月21日頃といいます。夏至は一年のなかでもっとも昼が長い日であり、もっとも夜が短くなる日でもあります。


キャンドルナイトって?

キャンドルナイトは、夏至の夜(夏至の頃の夜)に電気をつけず、キャンドル(ろうそく)の明かりですごす時間をもつことです。大きなイベントでは「100万人のキャンドルナイト」が開かれています。また、企業やお店でもキャンドルナイトのイベントをするところがあります。

ちなみに日本の明かりには、動物の油や石油を使わない「和ろうそく」があります。キャンドルナイトに和ろうそくを使えば、よりエシカルに感じられるかもしれません。

キャンドルナイトのように電気をつかわない時間をもつことは、エシカルやサステナブルについて感じ、考える時間になります。また、電気を使えないことがある被災地や紛争地域に思いをはせることにもつながります。


キャンドルのともし方

ティーライトキャンドル
ティーライトキャンドル

おうちやイベントでキャンドルをともすには、「ティーライトキャンドル」やガラスの「キャンドルホルダー」を使うのがやりやすいです。

ティーライトキャンドルは、小さなカップに入ったキャンドルです。炎が安定し、また高さが低いためたおしにくいです。キャンドルホルダーは、キャンドルを入れる容器のことで火が燃えうつったり、キャンドルがたおれるのをふせいでくれます。

火をつけるには、小型のバーナーやライターがおすすめです。安全性が高く、安いからです。しかし、昔ながらのマッチ箱があれば、マッチをすって火をつけるのも楽しいです。

* 火のあつかいには気をつけてください。


夏至の夜が出てくるお話

ムーミンシリーズの原作小説『ムーミン谷の夏まつり』は、6月と夏至の頃が舞台。ムーミン谷に洪水がきて、ムーミン一家はふしぎな劇場にたどりつき、スナフキンやミイも大活躍する、動きのある物語です。

イギリスの劇作家 シェイクスピアにも『真夏の夜の夢』という作品があります。森のなかで妖精の王さまや女王さまが登場する、一風変わった喜劇です。

ヨーロッパでは「夏至の夜には、ふしぎなことがおこる」と考えられているのかもしれません。


日本のエシカルを考える

「エシカル」や「サステナブル」「SDGs」というと、「ヨーロッパやアメリカから輸入したもの」というイメージが強いと思います。しかし、そろそろ日本でも「日本のエシカル」や「日本ならではのエシカル」を考えてもよいでしょう。和ろうそくもひとつの例です。

ほかにも、ヨーロッパやアメリカの暦(こよみ)と日本の暦をくらべるのも楽しそうです。ヨーロッパでは、夏至や冬至が大切に考えられてきました。ですから、夏至をテーマにした小説や劇がありますし、冬至はクリスマスのもとになったともいわれます。

日本では、夏至や冬至そのものより、六月のおわりにおこなわれる「夏越の祓(なごしのはらえ)」や十二月のおわりである「大晦日(おおみそか)」が大事にされてきました。こうした伝統や文化のちがいを意識するのもおもしろそうです。

参考:夏越の祓 ‐ 暦生活より


まとめ

夏至の夜には、キャンドルの明かりですごす時間をもちませんか? そして、こうしたイベントをきっかけに「日本のエシカル」を探せたら、エシカルはもっと身近で親しみやすいものになると思います。


文:木村洋平