Ecosia(エコシア/エコジア)はGoogleやYahoo!のような「検索エンジン」です。Ecosiaで検索をすると、Ecosiaの広告収入が植林に当てられる仕組みになっています。
植林する検索エンジン
Ecosia(エコシア/エコジア)はドイツの企業が提供する検索エンジンです。GoogleやYahoo!と同じように検索ワードを入れます。Ecosiaの特徴は、検索で生まれる広告収入を植林に当てていることです。
このようなエコでグリーンな検索エンジンは、環境問題に先進的であったドイツらしいといえます。Ecosiaは2009年に生まれ、ヨーロッパで高く評価されてきました。
Ecosiaでは、検索によって得られた広告収入の80%を植林活動に寄付しており、ユーザーが平均45回検索をするたびに1本の木が植林できる計算です。
植林活動はアフリカ各地のほか、南米、東南アジアなどに幅広く広がっています。植林には、CO2を減らすほか、土壌をよい状態に保つ、野生動物の生息地を守る、現地のひとの住みよい環境を維持する、といったよい影響があります。
Ecosiaのホームページには、これまでに植えられた木の本数がリアルタイムで更新されています。記事執筆時点(2021年6月13日)で、1億2千万本を超えています。
「1回検索するごとに1kgのCO2を減らせます。」
また、トップページには、
“Every search removes 1kg of CO2”
(1回検索するごとに1kgのCO2を減らせます。)
というキャッチフレーズが掲げられています。インパクトのある見せ方ですね。
そして、検索ワードを入れてクリック(検索)するだけで植林ができるというのは、気楽にできて、親しみやすい感じがします。ユニークなエシカルですね。
透明性について
「でも、どこにどれだけの植林がされているのでしょうか?」
「また、どのような収支になっているのでしょうか?」
こういった「企業の内側」は気になるところです。
もし見せ方が上手なだけの「ウォッシュ」(という言い方があります。意味は「いいことをしているように見せかけている」ということ)だったら、どうしようか?と考えてしまうかもしれません。
そこで、Ecosiaは、多くのエシカルな企業と同じように「情報の透明性」を大切にしています。
Ecosiaでは公式サイト(ファイナンシャル・レポート)で、毎月の状況を視覚的にもわかりやすく公開しています。Instagramにも載っています。
たとえば、2021年の4月には、1,077,296ユーロ(約143,000,000円)が植林と森林保全に当てられていることがわかります。また、この月に植林がされた地域はセネガル、エチオピア、ブラジルの順に額が大きいこともわかります。
ほか、ブログも定期的に更新されています。ブログでは世界各地のエピソードが写真や動画を交えて公開されています。これも透明性を高めますね。
このように企業がきちんと情報を公開することで、企業を見守る側も信頼が高まります。「透明性」はエシカルやサステナビリティを考える時に大切なポイントだといえます。
文:藤田慶太